シュリンクフレーションと長尺について
シュリンクフレーションとは商品の価格が変わらずに内容量が収縮減っていくこと。
収縮するという意味の「シュリンク」とインフレーションの合成語。
例えば不二家のカントリーマアムが値段が変わらずにどんどん容量が減っていることを指す。
カントリーマァムは2005年から2021年まで値段はずっと変わっていない。
2005年に1枚あたり11グラム、30枚入りで330グラムで売り出したカントリーマアムは2016年時点で1枚あたり10グラム、20枚入りになって200グラムになった。
カントリーマァムの大袋を買う層は、配る目的である。つまり、1枚あたりの確保よりも枚数重視、30枚も20枚もそれほど変わらないという判断。それよりも価格を上げるとお客さんから選ばれなくなるという判断。
逆に長く使えるように量が増えて、値段も上がっている商品も存在する。
トイレットペーパーは以前よりも長尺、増巻き(ぞうまき)と呼ばれる長さが変わった商品が出ている。通常、トイレットペーパーはシングルは50メートル、ダブルは25メートルだがそれよりも長いもの(長尺)が登場している。
しかし、トイレのホルダーの規格が決まっているので、それに合うように芯を工夫したり、力のかけ方、紙を巻くスピードをコントロールしている。
メーカーが長尺に理由は長持ちするために値上げをしたとしてもトイレットペーパーは必ず買う物だからという理由以外にも多くある。それは、買う回数が減るというもの。長尺でもきちんと価格を反映できるのであれば、1メートルあたりの金額が同じ、しかも家庭で長持ちするので、買う回数が減る、お店に並べる手間が減る、輸送費や原材料費用も減る、包装も減る。
客観的データとして、トイレットペーパー全体の売り上げにおける長尺の割合も増えている。
2013年は全体の4.5%、52億円だった。
2017年には全体の7%、93億円に増えている。
長尺はいわゆる三方よしの商品。
買う側のお客さんは買い物の回数が減る、置く場所も減らせる。売る側にとっては並べる手間が減るので人件費削減できる、在庫を置くスペースも省ける。作る側にとっては輸送費を減らせる、包装の量、コストを減らせる。
カントリーマァムとトイレットペーパーとの大きな違いは生活必需品かどうか、によると思う。
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